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故障修理

ロックアップ締結解除できない ニッサン ティーダ

平成19年式 DBA-C11 走行距離 107,342km

 

ニッサン ティーダ、エンストするという事で、お預かり致しました。

1年前の車検時、90,915kmでスパークプラグを交換していなかったので、プラグ不良なのかと法定点検と合わせてご相談されました。

エンストの状況は、PレンジやNレンジからDやR、Lレンジに入れたらすぐにエンストしてしまいます。

まずはスキャンツールでコンピュータ診断を実施。

故障コードはP0725(エンジン回転数入力)、P1585(Gセンサー異常)の過去異常を検出しました。
いずれもミッション系のトラブルコード。P0725はエンストしたから検出した、Gセンサーは車両の傾斜角度を検出するものなので、特段関係無いと判断出来ます。
ミッションのトラブルコードは無視して良いでしょう・・。
CVTフルードの量、色、臭いに異常も無く、走行中は異常が無いとの事だったので、一先ずエンジン側の点検を進める事にします。

エンジン側のアイドリング状態データを読み取ると、エアフロ値、基本噴射量、空燃比学習値及び補正値、O2センサーの動き、バージコントロール、EGRコントロール等、特段異常な数値は無い様に思います。

ただイグニッションアナライザーで測定すると2次ピーク電圧値がたまに20V(通常は9V~12V程度)になったり、燃焼時間が3mmsec程度(通常は0.8~1.4程度)とかなり長い状態。点火系の異常や圧縮不良等が考えられます。

一先ずプラグ廻りの点検から始める事に・・。

スパークプラグを外すには、スロットロボディやインテークマニホールドの取外しが必要。
外してみるとエンジンオイルの汚れが原因による汚れが異常に多い状態。

吸気系は洗浄を実施し、スパークプラグを点検。
しかしプラグはそれ程劣化している様に見えません。

1度組み付け、再度エンジンをかけ、症状を確認すると、再発する状態でした。

再度分解し、火花点検、圧縮の点検、またEGRの通路も汚れが酷かった為、洗浄し、スキャンツールでEGRのアクティグテストにて作動状態を点検。いずれも異常個所は見られません・・。

ここまで点検した結果、エンジン側の不調とは思えません。

再度組み付け、症状を詳しく確認。

エンジン冷間時は症状が出たり出なかったりだが、完全暖気後はほぼ確実に再現します。
また止まってしまう時はエンジンが物理的な力で、強制的に止まってしまう様な感じでエンストしてしまいます。
まるでマニュアル車で、ブレーキを踏んだ状態でギヤを入れ、クラッチを離し、エンジンが止まった様なイメージです。

ロックアップが締結したままになるのでは?と思い、ミッションのデータを読み取ります・・。
するとNやPレンジからRやDレンジに変えた直後、ロックアップ締結の指示LUソレノイド指示が作動し、約5秒後に解除される事を確認しました。

ただシステムの解説書を読むと、それ自体は正常との事。
ロックアップについて )

Dレンジで停車し、運転手に発進意図が無い時、ロックアップソレノイドバルブを作動させ、セレクトコントロールバルブで低圧で制御する事で、フォワードクラッチが締結しない程度に油圧を掛け、Nレンジ状態の様な感じでアイドル制御をするそうです。

それが現状は油圧の低圧制御が出来ていない様です。

一先ず現状をご報告し、修理する場合はリビルトミッションに載せ換えとなる事をご提案。

しかし金額が高額となる為、今回はここで作業中断、廃車手続きとなりました。

以前BR系のレガシィで信号待ち等で停車する直前にロックアップ非解除によりエンストして
しまうという症状を1度体験しましたが、こういった症状は始めて体験しました・・・。

スロットルボディです。エンジンオイルによる汚れが見られました。

スロットルを開けた状態。エンジンオイル管理がかなり悪かったのでしょう・・。

インテークマニホールドを外した状態。バルブ廻りもスラッジがかなり付着していました。
かなり悲惨な状態だったので、当初はこういった部分が原因かと思ったのですが・・・。

EGRの通路。こちらも汚れが酷い状態でした。
一応洗浄しましたが、結果的には関係ありませんでした。

EGRコントロールバルブです。スラッジが溜まっていましたが、スキャンツールでアクティグテストを実施した所、数値通りに開閉できる状態を確認しました。